こんにちは!
だいぶ涼しくなってきましたね。風邪をひかないように気を付けていきましょう!
モレキレカンです!
千葉の皆様、停電が続く不安の中だと思いますが一日も早く復旧することを祈っています。
本日は減量中最大の敵である食欲についてまとめていきます。
この記事を読んで頂ければ、今までよりは食欲のコントロールがやりやすくなるかなと思いますので是非お付き合いください。
今回は栄養学の観点からの食欲対策についてです。
ちなみに参考にさせて頂いている書籍はこちらです。
スポーツ栄養学 寺田新著
東大の寺田先生の著書の内容を参考(あくまで参考)に、独断と偏見を加えてダイエットにおける食欲コントロールに役立ちそうなことをご紹介させて頂きます。
医学的な内容や小難しく感じる方もいらっしゃると思いますので、いきなり結論からいきます!結論だけでも見てみて頂ければと思います。
食欲コントロールが大変な時にやるべき行動TOP4
1位 食事や間食の1時間前くらいに食物繊維を摂取する
2位 ゆっくり時間をかけてご飯を食べる
3位 とにかくお腹を減らさない(カロリーに注意)
4位 脂質を減らす
ひとつずつ解説していきます。
おそらくは1位の行動を取るだけでも食事の際に食べ過ぎてしまうということを減らせるのではないかと思いますのでやってみてください。
1位 食事や間食の1時間ちょっと前くらいに食物繊維を摂取する
食欲はいくつかの要因によって起こると考えて分類する方が理解がしやすいと思います。
① 恒常性維持に関わる摂食 = 安定して「生命を維持する」ための食欲コントロール
② 嗜好性に基づく摂食 = 「美味しい」と感じたい欲求からの食欲コントロール
大まかにこの2つに分けて食欲を理解すると分かりやすいです。
そして1位の項目についてはこのうちの①が関係しています。
「食事の1時間前くらいに食物繊維を摂取する」
という文章を2つに分解して考えていきましょう。
・「食事の1時間前くらいに何かを摂取する」
・「食物繊維を摂る」
の2つに分けてみましょう。それぞれにメリットがあります。
「食事の1時間前くらいに何かを摂取する」理由
まずは「食事の1時間前くらいに何かを摂取する」理由について見ていきましょう。
食欲維持に関係する脳の部位としては
・ 摂食中枢 (視床下部外側野)
・ 満腹中枢 (視床下部腹内側核)
の2つがあります。
摂食中枢は空腹時に活性化して食欲を刺激し、
満腹中枢は満腹時に活性化して食欲を抑えてくれます。
ちなみに満腹中枢を破壊されてしまったマウスはどれだけ食べても食べるのを止められなくなるという恐ろしい実験結果もあるそうです。
そしてこの摂食中枢と満腹中枢という食欲界の2大スターを裏から操るのが消化管ホルモンです。
消化管ホルモンというのは、胃や腸から分泌されるホルモンの総称になります。
色々な物がありますが、一番の司令官と考えた方が良いのは胃から分泌されるグレリンという名前の消化管ホルモンです。
グレリンは胃の内容量が減っていることを感知して分泌される摂食中枢を刺激するホルモンです。
そして司令官と考える理由としては、
グレリンは腸から分泌される他の消化管ホルモンの食欲を抑える作用を抑制してしまうのです。
分かりにくいですが、グレリンが出たままでは栄養が腸に到達しても食欲がおさまりにくいということになります。
ということは、グレリンが減少する=胃の内容量がある程度ある 場合
(1) グレリンによる摂食中枢刺激がなくなる
(2) 腸管からの消化管ホルモンが食欲を抑制しやすくなる
という2つの良い事があります。
「食事の1時間前くらいに何かを摂取する」ことによって、
・食事での食べ過ぎを抑制する
・食事の栄養が食欲を抑えやすくなる
というメリットを受けられるということになるわけです。
「食物繊維を摂る」理由
そして次に「食物繊維を摂る」メリットについてです。
食物繊維は 腸内細菌により 短鎖脂肪酸に分解されます。
短鎖脂肪酸は直接摂食中枢を刺激して食欲を抑える作用と、消化管ホルモンを介して摂食中枢を刺激して食欲を抑える作用があると言われてます。
要するに食物繊維を摂ると腸に到達した際に食欲を抑制してくれるということです。
1時間前で腸に到達するかというのは実は微妙というか腸内細菌による分解も考えると実は3時間4時間かかるのかもしれないなと思っていたりします。ひとによってはさらに時間がかかると思いますので、それ以上時間が経つとご飯後のおやつタイムくらいに効果が出てくれる可能性があるかもしれません。
それに加えて短鎖脂肪酸は腸内環境を酸性に保ち、ビフィズス菌や乳酸菌という酸性に強い有用菌が増えやすい効果があります。
さらには白色脂肪細胞(いわゆる脂肪と言われるやつ)への脂肪酸流入を予防し、褐色脂肪細胞におけるエネルギー消費量を高める可能性も指摘※されています。
※入江潤一郎ほか.実験医学.34:215-220,2016.より
という訳で、1時間前くらいに胃を膨らませる+食物繊維というのはすごく食欲を抑えてくれそうな気がしてきましたよね。
もしもやってみようかなと思っていただけたら、その際には脂質は抑えるように意識して頂いた方が効果が高いと思います。
2位 ゆっくり時間をかけてご飯を食べる
とにかく胃の中に食べ物がおさまってグレリン君が減るのを待つということですね。
グレリンが減るだけでも摂食中枢への刺激が減るのでしたね。
そして、血糖値が上がることで満腹中枢が刺激されます。
血糖値が上がるまでには20~30分はかかるのが一般的です。もしそれだけの時間をかけることが可能な方は試してみて頂くのが良いでしょう。
昔から言われている知恵が科学に裏付けされたということですかね。
ちなみに「よく噛む」という昔からの知恵に関しても、噛むこと自体が食事誘発熱産生の最初のピークを作るトリガーと考えられていますので、こちらもまた大事なようですね。
3位 なるべくお腹を空かさない
これは前に書いた通りで、グレリンを増やさないようにしていくってことですね。胃の内容量に応じてなので、水でお腹が膨らんでも一時的には下がるということじゃないかなと思います。どのくらいの時間その作用が続くかまでは「スポーツ栄養学」にも記載はなかったので、今後分かったら追記したいと思います。
4位 脂質を減らす
これまでには舌が感知できる味は5個(酸・甘・苦・塩・うま味)だと考えられてきましたが、実は脂質自体も舌は感知できるということがわかってきました。
そしてそれが脳内のβエンドルフィンという「快感物質」を分泌させるということも分かったそうです。
なので、脂質を摂ると脳内に快感が伝わり、そうすると食欲の中でも②の方の 嗜好性に基づく摂食 = 「美味しい」と感じたい欲求からの食欲コントロール にまつわる部分が刺激されます。
この②のシステムに関与しているのは脳内の報酬系と呼ばれる部分です。
精神医学でも報酬系というシステムについて関係している病気があります。
それは依存症です。
脳の中の前頭前野と言われる部分で「期待していたよりも大きな報酬」が得られたと感じると脳の中の側坐核と呼ばれる部分に情報が伝達され、快感が得られ報酬を得られると期待されるような行動をさらに取るように脳に指令が出ます。
ここで言う「期待していたよりも大きな報酬」がギャンブルの場合には大当たりだったりする訳ですが、食事の場合には予想していたよりもおいしい物ということになります。
そして恐ろしいのは、「期待していたよりも大きな」報酬じゃないといけないということです。同じ刺激では「期待していたよりも大きな」ものにはならないのです。今まで以上の刺激を求めたり、今までの刺激だと物足りなく感じてしまったりすることになります。
脂質を摂取するということはこのシステムを刺激することになりやすいのではないかと思います。もちろん脂質を全く摂取しないという訳ではなく、脂質に偏った食事は更なる食欲の呼び水になる可能性があるので気を付けるということです。満足度も相応に高いのでうまく使うのが脂質に関しては大事ですね。もちろん脂質は必要な栄養素であるのは当然なので摂らなければ良いという訳ではありませんのでご注意を。
脂質の摂取は計画的に!
糖質に関しても何らかの刺激があるのではないかと思いますが、「スポーツ栄養学」の中には記載がありませんでした。
美味しいと感じる物も控えた方が良いのかと感じる方がいるかもしれませんが、栄養成分がダイエットに向いているもので、美味しいと感じられる食品を探してみるのは手かもしれませんね。
まとめ
食物繊維などのカロリーに関係しにくい物でお腹を満たしましょうとか、ゆっくり食べましょうとかという当たり前のことを改めて書いてしまった気がしていますが、少しでもお役に立つ部分はありましたでしょうか。
今まで有効だと言われていた方法でも科学的な根拠が示されていると取り組んでみようかなと思える方もいらっしゃったんじゃないでしょうか。
まずは試してみて、ご自身の食欲がどのように反応するか実験してみましょう。そして自分に一番合う食欲コントロールの方法を見つけていく一助になればと願っています。
今日からこれであなたも食欲博士!
一緒に食欲という最大の敵をうまくかわし、目標とするものを手に入れましょう!